不要になったものを必要としている人のところへ
「もったいない」という国際的な言葉
「もったいない」という言葉があります。これはもともと仏教用語から来ており、ものごとが本来の形ではなくなることを嘆く意味でした。まだ使えるものを再利用、再使用せずに捨ててしまうことを指す言葉であり、そこには日本人の独特のものに対する意識が込められているように思えます。
この「もったいない」という言葉は環境分野でのノーベル平和賞を受賞したワンガリ・マータイさんによって海外に広められました。現在では世界共通語として知られています。
八百万の神という日本の古来からある信仰
日本人は旧来「もの」に対して敬意を払って生きていきました。その背景には日本人は現代にいたるまで、農業をベースにした生活が息づいていることがあります。まだ使えるものを使わないことに対するネガティブな気持ちであったり、ものに対する愛着が諸外国とは少し異なる感覚であったこともあるでしょう。
そのベースには、日本人の宗教観もあるかもしれません。日本固有の宗教である神道は、その思想の中に八百万の神という言葉があります。これは万物には神が宿っており、それがものであっても粗末に扱うことは、その「もの」に宿る神に対して不敬であるという考え方です。
日本人独特のものに対する感情
ものを大切にすることは、単純に経済的であるという以外に愛着や信仰という感情があるのでしょう。
それを指し示すひとつの例としてアイボの逸話があります。アイボとはソニーが生んだロボットのイヌです。ロボットというのは生き物ではなく物体です。科学的に作られ、そして人工的にプログラミングされた玩具であるアイボですが、ものである以上いつかは壊れてしまいます。その壊れたロボットに対して葬儀を行う、ロボットのペット葬が行われたのです。多い時には100体を超えるロボットが持ち込まれ葬儀が行われました。これはロボットを単純な物体として捉えるのではなく、ひとつの生き物に近い感覚でとらえているというひとつの証拠でしょう。また、どうしてもアイボを修理してほしいという人のために、埋葬されたアイボの部品を利用して修理も行っていたそうです。
使えないもの、使わないものの利用方法
高度経済成長を遂げたとはいえ、わたしたちの中にはものに対する愛着や「もったいない」という精神が残っています。そのため、自宅の掃除をする際にちょっともったいないと感じて捨てられずに残っているものもあるでしょう。ひょっとしたらその捨てようと思っているもの、誰かが必要にしているものかもしれません。自宅の中は掃除したいと思っているものの、そうした不用品が一杯ということもあります。そうした不用品は不用品業者が回収してだれかのもとに届けてくれます。値段が付かないかもしれないその商品、一度不用品回収に出してみてはいかがでしょうか。